2008年3月28日金曜日

駅前を活気つけた「かつぎ屋さん専用市場」

Nostalgia Travel専用市場には、駅近くの業者などが入り乱れて総勢50人ぐらいの人だかりになる。サバイバル時代から少し落ち着きを取りも出し掛けた昭和27~28年(B・C1952~1953年)当時、駅に急ぐサラリーマンの姿もあったが、朝の駅周辺は「かつぎ屋さん」のエレルギィーが活気づけていた。

Great Mother30分から1時間程度、専用市場の長いすの上で荷作りの準備をする者、オニギリを「ほおばり」ながら朝食を済ませる者、近くの食堂に急ぐ者など様々だが、この長いすはカゴを背負うには「ちょうど良い高さ」になっている。

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食堂で朝食を済ませる者は、長いすに荷作りの終えたカゴを置いたままにして食事に行くが、その間は男の見張り役が二人ほどいるだけで市場には一瞬静寂が訪れる。

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この当時になると「かつぎ屋さん」ビジネスも有る程度認知され始めたと思える(もちろん統制品の米類を除いての事だ)。この専用市場の敷地は国鉄(今のJR)の所有地であったことは当然であったし、国鉄は乗車券を2人分取ることで(往路のみ)「かつぎ屋さん」専用電車を出していた。

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専用電車は朝だけだ。推測だが、その時間帯は午前8~10時の間で、1時間に一本程度の「かつぎ屋さん」専用電車があったようだ。

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専用電車といっても、最後尾に「かつぎ屋さん」専用車両が一両付けられていた列車だ。従って「かつぎ屋さん」の朝の作業の全ては、専用列車の出発時間に合わせたものだった。

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専用車両の中は「かつぎ屋さん」だけだが、座席に座っている者は誰もいない。その代わり座席には荷作りされたカゴがズラット並んでいた。座席に置かれたカゴの高さは、身長の個人差はあるが肩ぐらいの高さである。目的駅についてこのカゴをかつぐには打って付けだった。

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そして自分のカゴが落ちないように、それぞれの持ち主が、窓の方を向いてカゴを抑えたり、背中で支えたりしている。

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ここは「かつぎ屋さん」専用空間だから商品の善し悪しや、商品の融通をし合ったり、客種のことを話す者や、食事をする者、タバコを吸う者など「自由闊達」で賑やかだ。

Great Mother私は、この時並んでいるカゴを見比べて母の荷物が、いつもの半分くらいの大きさである事に気がついた。しかし、そのことを不思議に思うにはまだ幼かった。

My site is the original Japanese vanishing landscape and the rich Japanese sentiment
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