2008年3月24日月曜日

ミゾに落ちた荷車を、テコで簡単に上げるジー。

Nostalgia Travel
私は、全速力で走って、山田のジーの家に飛び込んだ。「お早う」の挨拶もなしに言った。

Great Mother
「ジー、かあちゃんが助けてくれって」。ジーは起きていたが、まだ眠そうだった。しかし、私の様子から、状況が分かったのか、ジー「荷車がミゾにハマッタのか?」と言うと、一瞬で目に生気みなぎった。

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私「うん」。ジーは、ハマッタ場所が想像できたのか「大越の曲がり角だろう」。私「うん」私に質問しながらジーはもう動いていた。

Great Mother
太い2メートル位の丸太と、やはり2メートル位の板を手にしていた。そして、「細目の丸太」を持つと「タカシこれを持て」と私に差し出して、「行くぞ」と言った。

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小雨は少し小降りになっていた。母はジーの顔をみてホッとした顔で「ジー朝から済まんです」。ジー「なにすぐ出してやる」と言うと。

Great Mother
「太目の丸太」をミゾにハマッタいる車輪横に平行に置いた。そして、ミゾにハマッテいる車輪下の前方に板を押して食い込ませている。

Nostalgia Travel食い込ませた板は、地面と車輪に間に挟まって、30度位の角度がついたまま固定された。ジー「いいか今、俺が『テコ』でこの車輪を浮かせるから、そしたら二人でこの板を車輪の下に差し込め」

Great Mother
私が持って来た「細目の丸太」はよく見るとクイだった。ジーは「細目の丸太」の尖っていた方を先にして、「太めの丸太」の上から車輪下の地面に突き刺した。

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そして、「太い丸太」を支点にして、45度ほど傾いて宙に突き出ている「細い方の丸太」の端を、ゆっくりと下に押さえつけ始めた。

Great Motherすると、ジーはそれほど力んでいるように見えないのに、荷車が浮いてきて、ミゾにハマッテ傾いていた荷車がやや平らになった。

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ジー「よし、タカシ、かあちゃん、板を下へ差し込め。もうちょいだ。そしオケー。」

Great Mother
ジーが「細目の丸太」を離すと、前ほどではないが少し荷車は傾いた。車輪の下になった、板は少し角度が増して40度位になって前方が浮き上がっていた。
ジーは荷車の前方に周り、荷車の荷台と引き手に入って、荷車を引っ張る体勢に入った。

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ジー「二人は後ろから押せ。いいか。セー・ノッで、行くぞ。」

Great Mother
ジー「いくぞ 。セー・ノッッッ」三人が一斉に力を入れる。車輪が「ギシッ」と音を立てると、板の上をユックリと登り始めて、車輪がはミゾから出た瞬間、40度に持ち上がっている板が「パタン」と地面に落ちた。片輪は板の上に有って荷車は、アッケナイほど簡単にミゾから出ていた。

Great Mother
その間10分間位だ。母と私があんなに必死でできなかったのに、あまりに簡単にミゾから出られたのに私は驚いた。

Great Mother
そして、その時、初めて「テコ」を見た。そして、それ以来「ジー」を尊敬した。

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