2008年4月4日金曜日

母と鉄道公安官のバトル

Nostalgia Tarvel
年配の公安が「オバサン、米持っているね。」。
母「持ってます。でもこれは、売り物ではないんです。姑のお見舞いに、持って行くんです。」

Great Mother
公安「お母さん、病気なの?」。
母「はい、中野に住んでますが、三度、三度食べれば元気になると思うです。母が、この子のにも逢いたいと言うので二人で、お見舞いに行くんです」

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公安「あんたのお母さん」。母「いいえ、主人のです」
公安「ご主人の。ご主人戦死したの?」。母「いいえ帰還しましたが、戦傷で元の仕事に復帰できなくて、母を妹夫婦に見て貰っているんです」

Great Mother
公安「ご主人、海軍? 陸軍?」。
母「海軍です。所属艦が沈没した時負傷しました。」
公安「海軍。私も海軍だが・・・・。奥さん、くに(郷里)は茨城でも千葉でもないね」
年配の公安は母の言葉に、茨城県や千葉県の訛りがないことに気づいたようだ。
母「ハイ。富山です。主人は浅草生まれですが親戚を頼って、今は食料事情の良い、茨城に住んでいます」

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公安「米、何斗持っての?」。母「一斗(15Kg)です」。公安「仕事なんで一応、見せて貰おうか!」。
 *一斗(15Kg)x4=一俵(60kg)

Great Mother
「竹製の四角いカゴ」は厚めの木綿生地の大きな風呂敷に覆われている。その風呂敷はカゴ2つ分位包めるほどに大きい。広げれば二畳(1.8mX1.8m)位有るだろう。
この風呂敷はカゴの上に、更に荷物を積み上げた時、全体を一体化して荷崩れを防ぐ効果がある。母はそのカゴの荷物を解き始めた。

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今日の母のカゴには、上からトマト、なす、サツマイモなど野菜類、一番下に米が入っていた。しかし、いつもの半分以下だ。

Great Mother
米は二斗まで入る「厚手の専用茶封筒」に入っている。一斗ずつ入れた方がカゴに収まりやすいし、販売し易いロットであった。

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手さげカゴも、いつもは二つで両方の「手さげカゴ」に、タマゴが200個くらい入っているが、今日は一つだけだ。今日は、タマゴが50個くらいと大福やザッコ(小さな川魚)の佃煮が何パックが入っているだけだった。当時、これらの食材は、東京では簡単に手に入らない貴重な食材だった。
母は米はカゴから出さずに、年配の公安に傾けて見せた。

Great Mother
公安はカゴを覗きながら「奥さん。鑑札は持っている?」。母「ハイ」。
母は、首からさげたヒモの先をたぐり、胸の合わせから定期券を出し裏返した。それを公安に差し出し、「かつぎ屋さん」の認定証を見せた。

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公安「奥さん。事情がお有りようなので、今日は『注意』で済ませますが、次回は全商品没収ですよ」
公安は、いつの間にか母を「オバサン」ではなく「奥さん」と呼んでいた。
母「ハイ分かりました。ありがとう御座います」

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公安「中野じゃ、山手線ですね。一緒に行きましょう」
母「えっ。アッ、ハイ。ありがとうございます。」


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